4月11日 オコジョの講演をしてきました
4月11日に 尾瀬ガイド協会群馬支部からの依頼を受け,オコジョの講演をしてきました.
最近はネコの話ばかりしていたので,久しぶりに大好きなオコジョの話ができて嬉しかったです.
お声がけくださり,ありがとうございました.
会場は前橋市の群馬県青少年会館という駅から少し距離がある場所とのことで,13時からの講演に十分に間に合うように朝早くに家を出たのですが,当日は生憎の雨で電車が遅れに遅れ・・・
2時間くらい前に前橋に着いて優雅にランチしているはずだったのに,ぎりぎりの到着になり,慌てて駅前で昼食をかきこんですぐにタクシーに乗ってとドタバタしてしまいました.
それでもなんとか15分前には会場に着き,すぐにパソコンを立ち上げて講演開始.
まず最初に驚きなのが,ガイドさんの多さです.
100名以上いたと思います.
尾瀬のガイドさんは多いと聞いていましたが,群馬支部だけでこの多さ!びっくりしました.
さて講演の内容ですが,私は本でも紹介したように遺伝子解析をずっとやってきましたので,やはりここでも分子系統のお話が中心になります.
でもガイドさんが聞きたいのは,野外にいるオコジョの話.
正直遺伝子の話はいわゆるアウトドア派の方々には人気がないのです.
これがいつも困るところなんですが,でもだからこそ遺伝子を調べることでたくさんのことが判るんだと知ってもらいたいって気持ちもあり,なかなか塩梅が難しいのです.
今回は1時間半講演の時間をいただきましたので,オコジョがどんな動物なのか,その成り立ちと進化の歴史をまずお話し,それから現状と今後どうしたらよいかなどをお話させていただきました.
ちなみに私は講演の際「3回は笑いをとる」を目標としています.
遺伝子の話ではなかなか笑いはとれませんでしたが,以前オコジョを調査で捕獲し,一時飼育していた時の話など,リアルにオコジョを感じられる話を盛り込んだりと工夫したこともあって,何度も笑っていただき,ほっとしました.
講演を終えて質疑応答になると,どんどん質問が出てきます.
これがまた遺伝子のことはほとんど触れられず,また講演の中でも触れてないオコジョの生態についてが多く,四苦八苦しながら現状で解っていることを説明させていただきました.
変わり種としては,女性のガイドさんに私の興味を持っている民俗学(神様の使いや妖怪説)について質問をいただいたのが印象的でした.
なんせオコジョは直接観察が難しいから遺伝子解析を用いてアプローチしています.
日本でオコジョの研究をしている研究者は私くらいで,共同研究者もおらず一人で細々と追いかけている状態ですから,判らないことの方が多いんです.
一時飼育してみて食の嗜好や獲物の狩り方・食べ方などは判りましたが,まだまだ判らないことだらけの動物.
だからこそ生涯かけて追いかけたいと思っている,ということもお伝えしました.
次回までにまた自分の研究を進めたいと思います.
帰りは以前尾瀬に行った時にお世話になった植物写真家の藤田さんに高崎駅まで送っていただきました.
いや~助かりました.ありがとうございました.藤田さん.
写真を撮ろうと思ったのですが,雨のおかげでばたばたしっぱなしで1枚も撮れませんでした.
でも後日藤田さんから協会の会長さんやベテランガイドさん達がよかったと言っていたと教えていただき,胸をなでおろしました.
まだまだ遺伝子解析について面白く伝える技量が足りてないですが,面白い・役に立つと思っていただけるような講演にできるよう精進します.
またのご依頼をお待ちしていますので,今後ともどうぞよろしくお願いいたします.