黒瀬奈緒子
愛媛県生まれ。北海道大学にて博士号を取得(博士(地球環境科学)、Ph.D.)。専門は分子系統学と保全生物学。環境教育にも力を入れており、野生生物と人との共存をめざした環境づくりをテーマに講演や、子供たちとの「生きもの観察会」なども行う。
オコジョやイタチ、タヌキやキツネなど、日本に生息する小・中型食肉目が一番の専門。外来種問題にも関心を持っており、野外のネコを完全室内飼育に移行させたいと、愛猫家の立場からも願っている。
著書:
取得免許状:
小学校教員 一種免許状
中学校教員 一種免許状「理科」
高等学校教員 一種免許状「理科」
中学校教員 専修免許状「理科」
高等学校教員 専修免許状「理科」
関心を持っている対象
専門分野
分子系統学・系統地理学
食肉目や両生類を中心に実施してきた。今後はさまざまな脊椎動物を対象に個体群の遺伝的特徴を把握したり、進化の道筋や種分類を明確にしていきたい。
集団遺伝学;DNA多型解析
さまざまな生物を対象に、集団間の比較や遺伝子交流・孤立度などを把握することで、個体群の保全策を考えたい。
保全遺伝学;DNA鑑定・環境DNA
さまざまな生物を対象に分布状況などを継続的にモニタリングし、分子遺伝学的技術をフィールド研究に役立てたい。
保全生物学;フィールド調査
さまざまな生物を対象に生態学的データを蓄積し、継続的にモニタリングして生態系保全を考えたい。
環境教育学
多くの方々に自然環境や野生生物を守るため、うまく共存していくために何ができるかを伝えていきたい。
食肉目
学生時代からずっとおいかけている食肉目は、絶滅危惧種が多く、一方で外来種として問題視されている種も多い。一方で、生態系に対する要求が多く、「アンブレラ種」として注目されていることからも、一番の研究対象としている。オコジョ、イイズナ、ニホンイタチ、ニホンテン、アナグマ、タヌキ、キツネ、アライグマ、ハクビシン、イエネコを研究している。
地表性小型哺乳類
分布状況を調べることで、生態系評価や今後の植生管理などを考察している。シャーマントラップを使った捕獲調査はハードだが、行きて動いている野生動物を間近で見られる最高の瞬間。これまでアカネズミ、ヒメネズミ、ハタネズミ、スミスネズミ、ジネズミ、シントウトガリネズミ、ヒミズ、ヒメヒミズなどを捕獲した。
野鳥類
センサーカメラを用いてモニタリングしたり、直接観察している。
民俗学;動物信仰・妖怪
動物を祀って信仰したり、妖怪として畏れたりと、古くから複雑に構築されてきたヒトと動物との関係を紐解くことで、これからの野生動物との共存を考えていきたい。
両性類・魚類
水陸両方を利用する両生類を、環境指標生物として注目し、調査したい。またメダカやホトケドジョウなどの絶滅危惧種の分布状況を把握し、データを蓄積していきたい。
植物
絶滅危惧種だけでなく、外来種にも注目して調査し、データを蓄積していきたい。